bennie green
刺激や興奮とは縁遠い。テクニックで唸らせるわけでもない。ある種の緩さがベニー・グリーンの持ち味であり魅力だ。
演奏に覇気はなく、凡庸といえば凡庸。原因はリズム陣にある。なかでもソニー・クラークは精彩を欠いている。でも、リーダーのトロンボーンは安定しているし、ジミー・フォレストは絶好調。ソニー・クラークがピアノを弾くだけでなく曲を提供したことで、ベニー・グリーンの能天気さが抑えられ、ほどよい仕上がりの愛すべき佳作となった。
能天気ではないけれど呑気。こんな時代だからこそ、求められていることかもしれない。政府が能天気ではどうしようもないけれど。