再びのウィントン・マルサリス

上手いけど面白くないと言われ続けてきたウィントン。新伝承派なんていう名前をつけたのが良くなかったのか、発言がジャズジャーナリズムの反感を買ったせいなのか、兄弟2人とも揃って日本では注目されなくなってしまった。

かつての神童も今年還暦。完璧なテクニックで王道をゆくトランペットは、昨今のトランペッターよりもはるかに魅力的な気がしてきて、改めてウィントン・マルサリスを聴き直してみようと思った。
久しぶりに取り出したのが、スタンダードタイムシリーズ第5弾となるこのアルバム。

wynton marsalis the midnight blues
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ストリングスをバックに伸びやかな音でゆったりと歌うウィントンはやはり素晴らしい。豊饒で成熟したスケールの大きな音楽だ。スタンダードタイムシリーズのなかでも、この作品はVol.3と並んで好きだ。選曲もシブい。ウィズ・ストリングスのなかでも出色の作品だと思う。
そろそろウィントンと向き合ってみよう。幸いにもまだまだ聴いていない作品がたくさんある。

それにしてもマルサリス兄弟は大相撲の花田兄弟を思い起こしてしまう。ブランフォード=若乃花、ウィントン=貴乃花にイメージが重なるのは自分だけだろうか。