フー・ツォン逝く

年末になってフー・ツォンの訃報が入ってきた。感染力を増したcovid-19の犠牲になってしまったようだ。
中国の知識階級の家に生まれ、文化大革命で両親が自殺するという重荷を背負って生きてきたフー・ツォン。歴史に翻弄されながらも、透徹した視線で音楽と向き合ってきたこの人の演奏は、クラシック音楽にまとわりつく西欧文化の臭みがない。音楽そのもののをシンプルに聴かせ、どこか凛とした品を漂わせる。
個人的にはこの人の弾くドビュッシーほどしっくりくるものはない。享年86。合掌。

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東京の1日の感染者が一気に1300人を超えた。年末年始の休みに入って検査数が増えたせいなのか、感染力の強い英国型が日本で広がりつつあるのかわからない。いずれにしても増え方が異常だ。帰省をとりやめたのは正解だろう。東京で年を越すのは昭和の終わり以来かもしれない。