三島由紀夫没後50年

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テレワークで本屋に行く機会も減ってしまったので、たまに出社した帰りに本屋に立ち寄った。
三島由紀夫没後50年ということで関連書籍が並んでいるのが目につく。
自決時も「ハラキリ小説家」などと揶揄された三島だが、ここにきて日本の劣化ぶりが三島の遺言や警告どおりだということで注目されているようだ。

 日本はなくなつて、その代はりに、
 無機的な、からつぽな、ニュートラルな、
 中間色の、富裕な、抜目がない、
 或る経済的大国が極東の一角に残るのであらう

日本は1980年代にこの言葉どおりになった。いまや経済大国でもなくなっているが、国家ならぬ個人で見ても、ニュートラルで、富裕で、抜け目のない人々が利益を享受する国になってしまった。

三島の死に方は受け入れ難い。これは生理的で絶対的なものだ。そもそも彼の憂国憲法改正で晴れるはずもない。現在の日本とは別の国のかたちがあったとすれば、保守の立場から欺瞞と向き合い、それを封じるしかなかったのではないかと思う。A級戦犯が首相に上り詰めたことを三島はどう考えたていたのだろう。
これまで避けてきたが、この機会に三島を学んでみたいと思う。