40年前のブラック・ライブズ・マター

21世紀になっても人種差別問題が消えないという現実は、人類の精神は進歩しないということを証明しているかのようだ。Black Lives Matter運動もそのうち沈静化し、また事件が発生して抗議活動が起きる、その繰り返しが無限ループのように続く。沖縄問題も同じ構図にある。

marvin hannibal peterson angels of atlanta
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このアルバムはアトランタで起きた黒人児童連続殺害事件へ抗議するものとして発表された。録音は1981年だから40年前ということになる。
コーラスなどが政治色を感じさせるため敬遠されがちだが、聴かれないのはもったいない。輝かしいハンニバル、個性全開のジョージ・アダムスという強烈なフロントに負けじと珍しくケニー・バロンが熱いソロを披露しているのも一興。

ハンニバルが時代の流れから外れてしまったミュージシャンのように扱われているのが残念でならない。ギル・エヴァンスのオーケストラでも印象的なソロで主役を張っていた実力者だ。もっと評価されていい。

ブラック・ライブズ・マター運動に賛意を表して、ハンニバルを聴こう。つまらない若手トランペッターなど聴く必要はない。