奥蓼科で日本再生を考えた

Go Toでどこも予約でいっぱいの週末。奥蓼科の渋・辰野館に空きがあるのを見つけ、久しぶりに訪ねてみた。
この宿には20年ぐらい前に一度泊まったことがある。山仲間と一緒だったのだが、なぜか風呂や部屋の記憶がほとんどない。そのころはまだ温泉に興味がなかったのかもしれない。

建物や設備はかなり老朽化が進んでいる。出迎えも部屋への案内もないし、部屋はかなりカビ臭い。流し場のある風呂は故障しており、男女が1時間半交代だという。こうなるとテンションは下がるが、お湯に入ると気分が一変。源泉21℃という冷泉なので加温はしているが、白濁したお湯はとろりとして最高に気持ちがいい。
東京からの距離も近いし、観光資源にも恵まれているのだから、もう少し施設設備を新しくすればいいのにと思うが、そう簡単ではないのだろう。

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Go Toで伊豆や箱根、有馬といった都市近郊の温泉地の高級宿が活況らしい。結構なことだが、通常料金でも活況が続くかといえばそんなことはあるまい。
庶民的な料金の宿の施設やサービスが底上げされたなら、温泉好きの裾野は広がるしリピート客も増える。歴史ある湯治宿の再生を支援する政策が必要だ。長い目で見れば、日本文化を守ることにつながるし、堅調な内需を生み出す。
せめて金融機関がコンサル機能を発揮すれば、再生する宿がたくさんある気がしてならない。金融機関が果たすべき役割は大きい。