2つの『Reflections』

フランク・モーガンは『Reflections』というタイトルのアルバムを2つ残している。最初が1988年のジョーヘンダーソン、ボビーハッチャーソンらsextet編成のコンテンポラリー盤。

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2枚目が2005年のカルテットによるHighnote盤。このアルバムがモーガンの遺作となった。

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1988年の『Reflections』のほうは、復活して間もない頃に出ているので、中古ショップでもよく見るが、2005年版『Reflections』はあまり目にすることがない。出来は2005年版のほうがはるかにいいのに、すっかり忘れ去られているようでもったいない。

それにしても、なぜ同じタイトルにしたのだろう。refrectionという単語にはさまざまな意味がある。反射、反映、随想、回想、自省、省察‥‥

おそらく88年コンテンポラリー盤の存在を知っていたうえで、違う意味合いを込めたのではないだろうか。ジャケットはそれを暗示しているように思う。

それにしてもこの遺作、モーガンのアルトがいつもに増して澄んだ音を響かせている。裏ジャケを見たら録音がルディ・ヴァン・ゲルダー。

モーガン白鳥の歌が聴こえる。