カルロス・ゴーンの逃亡について

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年末のカルロス・ゴーンの国外脱出劇には驚かされた。サンデーモーニング寺島実郎は、グローバル経営者というものの卑しさを示していると語ったが、この指摘は無理筋というものだ。

ゴーンは、日本の司法が不公正である以上、そこから逃れるためには不公正な手段をとることは許容されると考えた。これはグローバル経営者だからではない。「悪法も法なり」と言ってそれに従うか否かの問題、つまり、規律と秩序、正義と公正をめぐる問題に対する解答なのだ。

日本人は秩序を重んじ海外ではフェアということが重視される。ゴーンも秩序よりも公正を重んじ、金の力で国家を嗤うことが出来ることを証明した。日本脱出という大プロジェクトの成功に向けての執念と強い意思こそ、グローバル経営者の真骨頂というべきだろう。

近々予定されているゴーンの記者会見で、日本の後進性が世界に発信されることなるのは間違いない。無理筋でゴーン逮捕を仕掛けた人物こそ、国益を損なった責任をとらねばならない。簡単には尻尾を出さないだろうが、必ずや歴史に裁かれる。

ちなみに、卑しさや倫理観の欠如ということならば、日本の首相のほうがはるかに上をいく。本来逮捕されるべき輩が権力を握り続けているのは司法の腐敗によるところが大きい。そのこともこの機会に世界のメディアは報じるだろう。日本にとって分が悪い戦いになりそうだ。