本屋がどんどんなくなっていく。こんな状況を放置してよいはずがない。
せめて本はAmazonではなく、お気に入りの本屋から買うようにしようという、かみさんの運動に賛同して、沿線の書店「書源」に行った。
やはり本屋に行かないと、出会えない本がある。
この本に手が伸びたのは、著者が堀川惠子さんだからなのだが、同時に違和感も感じた。それは、これまでの堀川さんの仕事とはテーマに連続性がないこと、そして著者が連名になっていることだ。
この謎を解くために、あとがきを立ち読みする。病気で亡くなった夫の書きかけの原稿を引き継いで堀川さんが完成させたとのこと。2年前にご主人を亡くしていたことにまず驚いたが、NHKのディレクターだったご主人の林新さんの問題意識は自分とぴったり重なり合う。筆力がある堀川さんの手で、重厚なテーマがうまく料理されて仕上げられているに違いない。これは買わねばならないと思った。「書源」に感謝。
じっくり向き合いたい本に出会えて気持ちが昂ぶる、こんな体験がまもなくできなくなってしまうのだろうか。