大坊珈琲店と平野遼という画家

本屋をぶらぶらしていたら『大坊珈琲店のマニュアル』という本を見つけた。著者は表参道にあった喫茶店、大坊珈琲店の主人。盛岡出身ということで郷土本コーナーに置いてあったのだ。

静謐で衒いのない文章が心地よい。3000円は高いなぁと思いながらも買うことにした。

 

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ページを開くと口絵の写真に目が止まった。平野遼という画家の絵らしい。お店に飾っていたものだろう。大坊珈琲店には行ったことがないけれど、お店の雰囲気と合っている気がした。

この画家が気になってネットで調べると、「夜想小話」と題した元『SWICH』の編集者のブログにたどり着いた。このブログがまた素晴らしい。どの記事も読ませる。平野遼については「光を閉ざしたアトリエ」という表題で8回にわたって書いている。大坊珈琲店のご主人が平野遼の夫人を訪ねて話を聞くという企画を記事にしたものだ。

SWICH LIBRARYから平野の本が出版されているのは、この編集者がいたからだということがわかる。ブログが1年前から更新されていないのが残念だ。

 

興味が芋づる式につながっていく。こういう出会いはネットではなかなか得られない。本屋という場所は、思わぬ出会いを求めて行くところでもある。

そんな本屋がどんどんなくなっている。憂いても仕方ないとはいえ、なんとかならないものだろうか。