ブルーノート1500番台の底力

残念ながらジャズにおいてトロンボーンの人気は高くない。音色は好き嫌いがあるとして、一番の要因はスピード感がないことだろう。なんだかんだいって、スピードの快感はジャズの魅力の一つ。その点、トロンボーンは不利で、スイングからモダンへとジャズが大きく変わるなかで脇役に追いやられてしまった。

とはいえ、JJジョンソンのようにスピード感があってもメカニカルなだけで魅力は感じない。そこで登場するのが、カーティスフラー。

リーダー作といえば「ブルースエット」。なにしろこの有名アルバムの印象が強い。ブルーノートではサイドメンとして参加しているアルバムも多いし、とりたててリーダー作を買う必要もない、そう思ってた。実際、プレスティッジの「NEW TROMBONE」ぐらいしかもってなかった。これもジャケットに惹かれて買ったものだ。

そんなカーティスフラーを見直すきっかけになったのが、このアルバム。

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ときおり落穂拾いのようにブルーノートのマイナー盤を聴きだすと、かくれ名盤に出会う。これもその1枚だった。

アートファーマー、ソニークラークとくれば「クールストラッテン」のメンバー。悪いはずはない。ていうか、この2人は相性抜群だと思う。

ブルーノート1583。こういうのを聴くと、ブルーノートは全部聴かなきゃだめかなと思う。