バリー・ハリスを追いかけて

Terry Gibs Bobstacle Course

バップピアノが好きで、バリー・ハリスを追いかけてたどり着いたのが、テリー・ギブスのこのアルバム。
「softly〜」はじめ4曲並ぶジャズスタンダードに期待が向かうけれど、6曲目の「Do You Mind?」というオリジナル曲が、これぞバップといったテイストで最高。安定のザナドゥ、こぼれ好盤だ。
なおこの曲、ライナーではミルトジャクソンの曲としているが、テリー・ギブスのオリジナル。再発時には修正しないといけないけれど、再発されそうにないよなぁ。

そのうち名盤

nice and easy the soulful vibes of johnny lytle

B級好盤の宝庫ともいえるレーベルJAZZ LAND。なかでもこのアルバムはその筆頭にあげられる。
4曲目のスピード感とクールさ、5曲目のブルージーさがハイライトだけれど、LP時代はA面ラストとB面1曲目になるから続けて聴くことはなかったはず。片面のみ聴くのが一般的だったLP時代、どちらを聴く人が多かったのだろう。個人的にはB面にあたる後半3曲の流れが素晴らしいと思う。
CDになって4曲目から続けて聴けるようになったことで価値が増したと思う。
そのうち名盤として扱われるように‥‥ならないだろうなぁ。

マーケティングの本質

吉野家の伊藤正明という常務の発言が大問題となっている。「若い女の子を無垢・生娘な内に牛丼中毒にする」「女は男に高い飯を奢ってもらったら牛丼なんか食べなくなる」と、早大マーケティング講座で語ったという。
"ぶっちゃけ世代"のウケ狙い発言が炎上したかたちだが、本音が出たと言って良いだろう。慶大からP&Gを経て吉野家に入社したこの男はマーケティングのプロだという。マーケティングというものの本質を体現した、まさに下衆という言葉がふさわしい輩だと言わせていただく。

追悼チャーネット・モフェット

チャーネット・モフェットが54歳の若さで逝ってしまった。サイドマンであることには満足できなかったのか、ベースをブンブンと鳴らすリーダー作をリリースしたものの、今ひとつ受け入れられなかったように思う。ベーシストのリーダー作はほんとうに難しい。クリスチャン・マグブライトが登場して以降、すっかり影が薄くなってしまったが、近作ではトータルサウンドクリエイターとして優れた才能を感じさせていた。本来クリスチャンよりもこの人のほうが、ベースプレイヤーとしてはモダンさを備えているだけに早逝が惜しまれる。

manhattan jazz quintet
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神童といわれたデビュー当時、大ヒットしたのが日本制作のこのアルバム。デビット・マシューズのアレンジと切れ味鋭いルー・ソロフのトランペット、スティーヴ・ガッドのドラムが生み出すサウンドがとにかくカッコよかった。録音時弱冠17歳。天才の人生は短い。合掌。

職人が評価される国に

1950年代以降のジャズを追体験して一通り「お勉強」が終わると、自分なりのジャズ観が形づくられる。それが自分にとっては1990年前後。自我が確立したころの原体験が、その後に決定的な影響を及ぼすようなもので、この時期のジャズはしっくりと馴染む。

lewis nash rhythm is my business
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1989年作のこのアルバムは、発売時から評価が高かったが、今でも新鮮に響く。初リーダー作ながらルイス・ナッシュに気負いはない。派手なドラムソロを繰り出すことはないが、よく聴けば華やかさもある。
サウンドカラーを決定づけているのはマルグリュー・ミラー。何がどうすごいのか説明する言葉を持ってはいないのだけれど、この人がピアノにすわると、モダンで洗練されたサウンドになる。1曲目から新鮮なアドリブ展開と緻密なグループ表現が素晴らしい。

この後、ルイス・ナッシュのリーダー作は10年以上間が空く。その間も堅実にリズムを刻み続け、数々の名盤を演出している。その職人的なあり方は実にシブい。
かつての日本には、ルイス・ナッシュのような職人タイプがたくさんいたし、それを賞賛する風潮もあった。いまや変わり者扱いされるばかりで、職人文化は風前の灯。モノづくりを強みとするなら、職人的な生きざまをリスペクトすべきだろう。リスクヘッジや損得勘定からは何も生まれない。

仙人塚公園

今週も土地探しに奔走。ネットで見つけた候補地を見に行ったところ隣地に住む方に声をかけられ、不動産屋に出ていない農地をいくつか紹介されるという幸運に恵まれた。売りたい人が多いとは聞いていたが、安いとはいえ固定資産税を払い、雑草を刈って管理するのは大変で、土地を持て余している人がたくさんいることを実感した。親切な世話人のおかげで、これならという土地が見つかり、家づくりが一歩前進した。

夏のような日差しのなかで土地探しをしていたら、顔を日焼けしてしまった。里山の春はほんとうにいい。これから田んぼに水が入る初夏は最高だ。食材も冬から春に変わり、旬の味に季節を感じる。これが本来の暮らし方なのだとつくづく思う。
残念なのは電線。景観を損ねること甚だしい。電力会社には電線の地中化を真剣に進めてもらいたい。

昼食にハンバーガー好きのかみさんが密かに注目していた「千人塚ハンバーガー」を頬ばる。嗚呼、絶景かな。

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料理は楽しい

仕事は暇だしテレワークだしで、時間があるので料理をはじめてみた。けんちん汁、キンピラごぼう、切り干し大根、ひじきなど、しょうゆと味醂で味付けして出汁を加えれば出来るものばかりだけれど、われながらなかなかの出来栄え。

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料理は贅沢しなければ金もかからないし、美味いものが食べられる。趣味と実益を兼ねるとはこのことだ。旬の食材を使って季節を楽しみたいし、レパートリーを広げたい。

こうなるともう少しテレワークが続いてほしいところだが、どうやら反テレワーク主義の部門らしく、なるべく出社しなければならないようだ。
コロナ禍が終息するのか、それとも第7波がやってきて大変なことになるのか、先行きを予測する専門家の話が聞こえてこない。通勤電車はコロナ前の80パーセントぐらいまで戻っている。こんな状況で第7波が来たら酷いことになりそうだが、ほんとうに大丈夫なんだろうか。